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全国産業資源循環連合会 ニーズなどを調査検討 海外見据えた産廃業界の人材育成

  (公社)全国産業資源循環連合会(旧・全国産業廃棄物連合会)はさきごろ、環境省から受託した「平成 29 年度産業廃棄物処理業における人材育成方策調査検討業務」について報告をまとめ、概要を公表した。

  この調査は、産業廃棄物処理業における人材育成に係る方策及び外国人技能実習制度の活用に向けた検討等を行うとともに、産業廃棄物処理業に対する地域住民等の理解を促進するための人材育成ツールの作成を目的としたもの。地域社会や地域経済への貢献を十分に意識して業務を遂行できる能力・知識を有する人材育成をし、従来のイメージの払拭を狙う。また、アジアなど開発途上国への進出なども視野に入れた基礎的な調査・検討となっている。

  今回の主な成果は、①産業廃棄物処理業に関する映像ツール(DVD)の作成と②外国人技能実習制度の活用に向けたニーズ調査・検討等。①では、適正処理と作業の安全確保が重要であるという観点から、排出事業者・処理業者が各工程で留意すべき事項を分かりやすく説明した映像ツールを作成。業務別に、収集運搬(建設廃棄物の例)(12分)、中間処理(破砕・選別、焼却、中和)(16分)、最終処分(11分)の3パート別に実際の現場の映像を盛り込み、事務手続きや車両・設備保全、モニタリング、安全衛生管理など、各業務の一連の流れが分かるように作られている。

  ②では、産業廃棄物処理の業務は、現在のところ外国人技能実習制度の対象職種になっていないため、海外に支社・支店等を有する日本企業へのニーズ調査、ベトナムとタイにおける産業廃棄物分野の人材育成に関するニーズ等現地調査、外国人技能実習制度を既存の認定職種(機械保全)で利用している産業廃棄物処理業者の現状調査を行っている。

  海外に支社・支店等を有する日本企業の調査では7社をヒアリング。うち 6 社において、現地で活躍するマネージャー、役員クラスの人材を欲しており、現行制度の研修期間、対象者が、企業ニーズとマッチングしていないとの意見が多かった。ベトナムにおけるニーズ調査では、政府は今後焼却・リサイクルを進める方針で、「従来からの技能実習の職種に加えて、廃棄物処理やリサイクルの職種を技能実習制度に追加することに期待感を持っている」としたものの、訪問した現地企業等においては、技能実習制度についてまだ浸透されておらず、これらの企業等としては、3年にわたる自社の社員に対する長期研修ではなく、例えば新規設備等の運転に役立つ短期の研修を望む声が強かったという。しかし、一部の企業では、技能実習により習得した技能(廃棄物処理・リサイクル)を証明する認定書があれば、そのことが人手不足の企業として研修修了者を雇用する判断材料となるとの認識も示された。連合会では「国全体として、埋立量を減らす廃棄物処理・リサイクルの底上げのため、廃棄物処理等を行う企業にとって、技能実習制度は技能を有する者の供給として、相当な貢献をすると思える。同時に、個々の企業にとっては即戦力となる、あるいは将来のリーダーとなる人材のための研修機会も必要であることがわかった」とまとめている。

外国人技能実習制度について

 前記の調査から、海外に進出している国内の企業では、外国人技能実習制度(3年又は5年の研修)に対する期待感は少なく、海外事業所で活躍するリーダーをより短期で養成することを望んでいることがわかった。また、ベトナムとタイでは、経済発展のレベル、廃棄物処理の実績、社会状況等が異なるので、廃棄物処理・リサイクル分野の技能実習制度に対する関心は、それぞれの国の企業や送り出し機関どうしで差が生じているとして、今後、産業廃棄物処理業の業務を外国人技能実習制度の対象職種とするにあたっては、実習生が研修を修了し帰国した際の雇用及び技能の活用の目途、更に送り出し国のニーズを踏まえ、研修の内容等を十分検討した上で、進めていく必要がある、とした。そのためには、重点と考えられる中間処理業務を中心として、モデル実習計画案等を、技能実習生に関心を有する海外企業・送り出し機関、国内企業と意見交換を行い、その内容を作成し改善していくことが必要としている。 

  外国人技能実習制度は現業職を主な対象とした研修であるため、リーダー的な人材を対象とした人材育成も、インターシップを含め既存の研修プログラムを一層活用する手立てを検討する必要があることも指摘。 

  なお、日本における産業廃棄物処理やリサイクルが環境を守り産業を支えるものであるというメッセージを技能実習生に伝えていく必要性を指摘。そのような意識を持つ有能な人材を育てていけば、技能実習生本人のみならず送り出し国の発展にとって、更に技能研修生を受け入れた日本企業の海外展開にとってもメリットになるという。技能実習生に伝えるものとしては、低炭素化技術やSDGs(持続可能な開発目標)の考え方も含まれることが望ましい、とまとめている。 

エコマーク商品「機密文書処理サービス」 認定第1号は大和紙料 収集から運搬まで一貫処理

(公財)日本環境協会(東京都中央区、森嶌昭夫理事長)エコマーク事務局では、本年1月1日にエコマーク商品「機密文書処理サービスVersion1.0」の認定基準を制定したがさきごろ、大和紙料株式会社(本社=大阪市大正区、塩瀨宣行代表取締役社長)が提供する「大和紙料メルパルシステム」がこの「機密文書処理サービス」の第1号認定を取得したと発表した。  

エコマーク商品「機密文書処理サービス」は、機密情報が含まれる古紙原料の場合、機密情報が適切に抹消される必要があるが、これまでは情報抹消のためシュレッダー裁断後に焼却処理されてしまうケースも見られたことから、オフィス発生古紙を製紙原料として循環させることでより高い古紙利用率を実現させるため本年よりエコマークとして基準化された。この認定基準は、機密文書の処理方法別 (裁断処理・溶解処理)に、機密文書のリサイクルに加えて、副次的に発生する製紙原料とならない異物の再資源化や、運搬時のエコドライブの推進などを評価するもの。  

大和紙料株式会社では平成4年より、同社高槻事業部(大阪府高槻市) において紙資源のリサイクルと機密情報の完全な抹消を同時に叶える機密文書の溶解処理を開始しているが、 この「大和紙料メルパルシステム」が認定基準を満たし、「機密文書処理サービス」で初めてエコマーク認定を取得することとなった。自社回収の関西エリア(大阪府・京都府・滋賀県・兵庫県・奈良県・和歌山県)で、機密文書を、梱包されている段ボールの封を開けることなく、そのまま自社の溶解施設で液状化し、完全に判読不可能な状態にして処理・抹消するというもの。収集運搬から溶解処理までの一貫処理を行い、完全自社完結型で再委託等も無く機密文書処理のリスクを軽減できる。  

 また、機密文書の管理が困難な場合には、ジュラルミン一体成形構造の施錠付き「メルパルBOX」に投函。大和紙料社員が専用車両でBOX自体を交換し、回収当日に溶解処理施設で開錠、即、機密情報を抹消する。シュレッダー処理と比較して労務コストを軽減、セキュリティと利便性を両立する。溶解した機密書類は、再生パルプとしてリサイクルされる。

エコマーク事務局では今後、このような機密文書処理サービスのエコマーク認定が拡大することにより、顧客がサービスを選択する際の目安となることを期待したいとしている。 

関東主要都市古着入札結果 随契への回帰進む 専業者らによる灯消さない努力

 自治体が回収する古着の売払について、4月に入り、今年度の入札結果がひと通り出揃った。 

 布団の有無や雨などで濡れたものの引き取りの扱い、一定割合返却の取決めの有無など、自治体ごとに条件は異なるため、一概に比べることは出来ないが、ここでは条件が比較的似ているさいたま市、文京区、横浜市、相模原市の結果について掲載した(下表参照)。また、一般的に品質の問題から、都市部の発生品は高値が付きやすく、反対に地方の発生品は価格が付きにくい傾向にある。なお、さいたま市は指名業者による勝ち抜け方式での入札になっており、下表①~④の順番で札入れが行われ、既に落札が決まった業者は入札に参加できないため、終盤になるにつれ高値になりやすい傾向がある。 

 「インドネシアショック」で混乱状態となった一昨年の自治体入札だったが、それを受け昨年度から競争入札を取りやめ、随意契約へ回帰する傾向が見られるようになり、その流れは今年度も続く。 

 また、市民へのリサイクル啓発を目的としたイベント要素を盛り込んだ回収を行うなど、ここにきて「目先の単価」、「目先の品物」だけではない、ユニークな取組を行う自治体や事業者も出てきている。「古着バブル」は多くの弊害をもたらしたものの、様々なプレイヤーが参入した結果、古着の回収を行う自治体が増加したのは事実だ。入札では一時40円以上の値段が付くことも珍しくなかったが、その波が引いた今、専門業者による行政古着回収の灯を消さない努力が続けられている。 

関東主要4都市の古着売払入札結果
関東主要4都市の古着売払入札結果