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ステンレススクラップ 業界存亡の危機へ メーカーの再編も時間の問題に

関東地区のニッケル系ステンレスリサイクル市場は、 旧盆休暇明けの動意期待から一転した工場サイドの荷止めを受けて動意薄商況を変わらず。専業大手日本冶金が中旬から実施した荷止めは、 関係ディーラー業界に少なからぬ波紋を広げている。今回の日本冶金による盆休み明け直後の買い止めの動きは、 「如何に国内ステンレス市況が悪化しているかの証左で、 今後も更に厳しい状況が続くのではないか」 (某リサイクル原料問屋筋) としている。

深刻な外圧の下で発生減等に喘いでいる国内ステンレスリサイクル市場は、 その多くが需給の縮小均衡の下で不採算経営を余儀なくされており、 既に城南方面では老舗の自主廃業が表面化、 業界の今後に対する不安感が急速に広がり始めている。数量・価格面でのプレッシャーが止まるところを知らない外圧の下で、 国内鉄鋼大手や特殊鋼メーカーサイドを含めた需要業界の採算悪化は長期に渡っており、 このままの状況が続けば 「更なる国内ステンレス業界の劇的な再編が行われるのは必至」 と見る向きが多くなっている。「タイミング的には、 業界をリードする大手筋と業界を監督する行政サイドのゴーサイン待ち」 (某専業大手問屋筋) というのが大方の見通しだが、 それでも国内マーケットの混乱が収まるかどうかは微妙なところと、 云わざるを得ない段階に来ている。

「タイミング的には、業界をリードする大手筋と業界を監督する行政サイドのゴーサイン待ち」(某専業大手問屋筋)というのが大方の見通しだが、それでも国内マーケットの混乱が収まるかどうかは微妙なところと、云わざるを得ない段階に来ている。夏場の不需要期入りという季節的要因も加わった国内ステンレスリサイクル原料市場は、沈静化の兆しさえ見えない厳しい外圧の下で、 業界存続の危機にまで追い詰められていると見る向きが多くなっている。例年なら期待される秋需についても、「今年は全く先が見えない状況に追い詰められているのが実情で、リサイクル業界の今後も更なる自主廃業に向けた新たな動きが出てくるのではないか」(前出・同)と、不安感ばかりが広がる展開を見せているようだ。

エンビプロ・ホールディングス 新規事業で成長目指し 木質バイオや障がい者支援など

エンビプロHDの決算説明会

エンビプロHDの決算説明会

株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社・静岡県、佐野富和社長)ではこのほど、2016年6月期の決算説明会を開催したが、今後の新規事業として①木質バイオマス燃料事業、②デジタルサイネージ事業、③オフィス系障がい者終了移行支援事業、④カーボンマネジメント・コンサルティング等に取り組む方針を示した。

このうち、①に関しては、FIT制度施行によるバイオマス発電所の建設ラッシュが進む中、バイオマス燃料需要が急拡大することを見込んでの取り組みで、PKSや木質ペレットをマレーシア、インドネシア、ベトナム等から仕入れて国内販売する事業をエコネコルで推進するとした。佐野社長はこのバイオマス燃料事業について「スクラップ貿易で蓄積した運送網、ヤード管理、貿易事務機能を応用でき、既存事業との親和性が高い」とし、今後、国内で750万トンほどの輸入原材料需要が見込まれる木質バイオマス分野を自社グループの成長に繋げる方針だ。

②は国内での導入拡大が期待されるデジタルサイネージを輸入、国内販売やレンタルする事業をE3で推進するというもので、コンテンツ販売から広告収入、リユース、リサイクル等の総合的サービスを展開し、中期的には中古デジタルサイネージや太陽光パネル、蓄電池と組み合わせた災害対応などを提供する。③はオフィス業務への障碍者の就労移行支援事業を行う「Bright」を開始。松本で拠点を開設したほか、今後、首都圏で拠点を設け、ドミナント方式による広域展開を目指すとしている。④はCOP21における温室効果ガス排出量削減が世界的に求められるなかで、大手などで需要の高まる戦略的カーボンマネジメントのコンサルティングを行うことで、顧客接点の拡大を図る。

なお、既存事業については、構造改革を実施しながら、セメント会社や電炉と連携した廃棄物処理事業展開やLIBや炭素繊維、太陽光パネルといった廃棄物処理品目拡充、自治体からの破砕請負等の一般廃棄物事業の取り組み強化のほか、コンテナを活用した海外への小ロット販売、貴金属回収事業、更には高度成長期の建物解体増が見込まれるなかでの動産一括処分事業拡大や、資源回収ボックス・不用品片付けから派生する生活支援事業等のサービス拡充を図るとしている。

環境産業規模は105兆円に 全産業に占める割合は11%超える

環境省の発表によると、2014年の環境産業の市場規模は全体で105兆4133億円と過去最大となった。前年比では1・3%増、同省が推計を開始した2000年と比べると約1・8倍となっている。雇用規模も約1・4倍の256万人となり、過去最大になった。環境産業が全産業の中で占める割合11・1%となり、環境産業が日本の経済成長に与える影響は大きなものとなっている。

市場規模の内訳を分野別に見ると、廃棄物処理・資源有効利用分野が45兆8334億円と引き続き分野別で最大となったものの、前年から1118億円縮小している。一方、地球温暖化対策分野は前年から1兆3382億円拡大しており、地球温暖化対策の進展に伴い、増加傾向が続く。2004年以降、低燃費・排出認定車・ハイブリッド自動車等の成長により、「自動車の低燃費化」分野が増加したことと、2012年以降は、固定価格買取制度等による再生エネルギー利用の急成長に伴い、「クリーンエネルギー」分野での大幅に増加したことが主な要因だ。 そのほか、環境汚染防止分野は前年から4兆3249億円増の13兆6053億円、自然環境保全分野は前年から208億円増の8兆2630億円となった。

輸出額を見ると、前年度から1兆15億円増加し16兆7149億円となった。ここでも2004年以降、地球温暖化対策分野が急速に拡大しており、なかでも低燃費・排出認定車・ハイブリッド自動車が大きな割合を占めている。また、輸入額も3兆2555億円と1299億円増加している。「クリーンエネルギー利用」は、市場の拡大に加えて輸入率も高いことから、これを含む「地球温暖化対策分野」が大きく増加したため。