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日刊資源新報

WEB資源新報 BackNumber2015年5月

中国向け古紙輸出 自主検査廃止で混乱 コスト高や事務負担増で悲鳴も

中国向けにコンテナ積みされた古紙

中国向け古紙

5月に入り、古紙の中国向け輸出に当たり、大阪のCCIC―JAPANによる自主検査から通常検査への全面移行が実施されたが、輸出企業の現場では大きな混乱も生じているもようだ。
今回の自主検査から通常検査への移行は、これまで東日本等での中国向け再生資源などに関する検査業務を行ってきた東京の日中商品検査の業務が、CCIC―JAPANに移管されることを受けたもので、昨年末より日中商品検査の管轄エリア内で行われてきた繊維くずや金属スクラップなどの対中輸出における検査申請の大阪への移管が段階的に行われてきた。 ただ、そのなかで古紙輸出に関しては、コンテナロットの多さや積地が複数にわたることなどから、検査会社と輸出企業双方にメリットがある自主検査制度を導入することによって貿易の円滑化を図ってきたという経緯がある。こうしたことから、他の品目と比べ移管した場合の検査側の手間やコスト増もかねてから指摘されており、古紙関係者からは自主検査存続を求める声が多かったのが実情である。

5月以降、古紙輸出企業では、これまでの自主検査での検査料金の30%値引きが15%に縮小されただけでなく、検査員の交通費負担もしなければならないため、大きなコストアップにさらされているもようだ。加えて、問題視されるのが積地と日付を確定してから検査申請を行わなければならないという条項で、「特定の工場で製造される製品とは違い、古紙は発生品であり、積地に関してはその時のヤードの状況や天候などに応じたフレキシビリティさが求められる。検査側はこうした実態をまるで分かっていない素人のような対応で、コストだけでなく積地の確定作業に関してもこちらに大きな事務的負担がのしかかっている」(某輸出業者)といった憤りの声も上がる。

一方、検査側にとっても数量の多い古紙は重要な収益源となってきたが、今回の通常検査の移行に関しては運用体制の不備等が指摘されるだけでなく、他機関への業務委託等に伴う利益率悪化も想定される。企業ランクに応じた検査回数調整案も聞かれるが、結局は自主検査と変わらない形になるのであれば、コストだけが増える輸出企業からの理解は得づらく、結果、中国向け古紙の更なる減少で検査側の首をも絞めかねないだろう。

実態に即した方策を 求められる両者協議の下での円滑化

中国の2014年の再生資源輸入量は4000万トン超、そのうち2700万トン以上が古紙であり、依然、古紙が輸入再生資源に占めるウェイトは極めて高い。そしてその輸入古紙の10%以上の供給を担っているのが日本(2014年の中国向け輸出は300万トン)である。一方、製品の輸入増等もあり、中国の古紙輸入の先行きには不透明感も指摘されるものの、東南アジアやインドなどの古紙需要が増大すれば、欧米品に比べ距離的にも近く短納期で入手出来る日本の高品質な古紙は中国にとって引き続き重要な資源の一つに位置付けられよう。

日中間の古紙貿易について、輸出企業は過当競争による薄口銭を数量で補う形となっており、非効率的な作業等に伴うコスト上昇は事業の存続に直結しかねない。それにもかかわらず、業界の声を無視する形で開始された今回の通常検査移行は、短期間での方針転換は期待しづらい。それでも今後、既存の流通形態を踏まえつつ、検査側と輸出側の協議の下、貿易の円滑化に資するとともに双方にとってメリットのある方策を模索していくことが重要ではないか。

全国製紙原料商工組合連合会 国際競争力の向上を 仙台で第38回通常総会

全国製紙原料商工組合連合会・第38回通常総会

全原連・栗原理事長

全国製紙原料商工組合連合会(栗原正雄理事長)ではこのほど、宮城県仙台市青葉区の「ホテルメトロポリタン仙台」において第38回通常総会を開催した。 通常総会では、高橋秀行東北製紙原料直納協同組合理事が司会役を務めた。佐藤清隆東北製紙原料直納協同組合理事長が開会の辞を述べた。次いで栗原正雄理事長が挨拶を述べた。このあと議事では、平成26年度事業報告・同決算報告、平成27年度事業計画・収支予算案などの議案について審議を行い、各案ともに可決承認された。議事終了後には、 来賓を代表して奥山恵美子仙台市長が祝辞を述べた。通常総会は 庄子専一東北製紙原料直納協同組合監事が閉会の辞を述べ終了した。

引き続き行われた懇親会では、高橋文一東北製紙原料直納協同組合理事が司会役を務め、 高崎恒夫東北製紙原料直納協同組合理事が歓迎の挨拶、栗原正雄全原連理事長の挨拶が続いた。これに続いて来賓の川崎雅和経済産業省製造産業局紙議用服飾品課課長補佐 羽山正孝日本製紙連合会理事長が祝辞を述べた。次いで来賓の木村重則公益財団法人古紙再生促進センター専務理事の発声で乾杯し懇談となった。会場が盛り上がりを見せる中、増田喜代治全原連北陸ブロック会長の中締めが行われた。

J-BRAND推進で品質一元化を(栗原理事長挨拶)

「昨年の古紙業界を振り返ると、古紙回収率は 80・8%で過去最高を更新、国内の古紙消費は16万トン増加して1709万トン、回収、消費ともに順調に推移した。また需給調整のための古紙輸出は462万トンに達した。 全原連では、 近代化推進事業を継続、 その中でも最大の関心事であるJ―BRAND(日本古紙品質認定 制度の進展状況については、古紙リサイクルアドバイザー2500名、 古紙商品化適格事業所800ヵ所、古紙品質管理者1500名となっているが、資格を取得した事業所でのJ―BRANDの添付はまだ不十分な状況にあり、制度のさらなる進展にご支援をお願いしたい。J―BRANDを推進していくことにより、古紙の品質基準に見合った品質の一元化が図られることは、 国内製紙メーカーの古紙消費意欲を高めるとともに、国際競争力を向上させる。そして異業種との差別化さらには異業種の古紙部門を取り込むことも可能となり、行政の入札問題の解決にもつながる。また制度の進展は、地域の消費者、行政の協力を獲得することになり、従業員の意識の向上にもなる。新年度もJ―BRANDの進展が古紙業界にとり重要なものであることをアピールしていきたい」。

日本再生資源事業協同組合連合会・通常総会 「個々の声届く組織に」中長期目標作成

日本再生資源事業協同組合連合会・第43回通常総会

日資連・第43回通常総会

日本再生資源事業協同組合連合会(飯田俊夫会長)はこのほど東京資源会館にて第43回通常総会を開催した。全国各地区の代表が参加し行われた議案審議では、同連合会が掲げるスローガン「①市民・行政・日資連でつくる資源循環型社会、②リサイクルシステム議員懇談会との連携強化、③リサイクルでまち・ひと・郷土を再生しよう、④リサイクルで減らそう温室効果ガス、⑤全国へ広げようリサイクル化証明書」をバックボーンに27年度事業計画案などが承認された。

事業報告では、前年度の概況を中国経済の成長鈍化で価格面で陰りを見せつつあると振り返る一方、再生資源の輸出先は、当分の間中国にならざるを得ないとして、今後も中国経済を注視していくとした。また、古紙に関しては回収率を更に高めるため、雑紙の掘り起しに伴う品質向上が不可欠であること、鉄については中国の安値鋼材流入などで韓国電炉の生産が低迷し、日本の鉄スクラップ輸出が減少していることなどから、新たな輸出先エリアの拡大が必要である、などとしている。

また、事業計画では、①中長期目標の作成、②①の実現に向けた具体的対策、③作成した具体策の実務担当部署決定を行う方針。また、これらの実施に当たり多くの組合員、所属員の意見集約が必要であり、声の届く組織改革を最大の課題として取り組む方針が示された。このほか、認定制度とリサイクル化証明書の強化や古紙持ち去り問題についても取り組む姿勢も表明されている。なお、同連合会の全国大会が北海道にて6月29日に予定されるなかで、全国47都道府県加盟達成に向けた情報収集も行っていくとした。