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WEB資源新報BackNumber 2015年10月

鉄リサイクリング・リサーチ 長期低価格時代が到来 中国の「4大波」、H2に警鐘

国内外の鉄スクラップに関する調査・研究を行う株式会社鉄リサイクリング・リサーチ(林誠一社長)ではこのほど、調査レポートNo.31「中国の4大波と日本」を公表した。このところの原油相場をはじめとする世界的な資源相場の下落は中国経済の減速に端を発しているとされるが、我が国の鉄スクラップ相場も昨年同時期の3万円超の時代と比較して、その半値以下の水準にまで下落を見せている。国際的にも鉄スクラップの相場低迷が現在も進行しているが、この背景に林氏は中国からの第一波である2013年から増加し始めた「鋼材輸出」、そして第二波は2014年後半から始まった「合金鋼添加ビレットの輸出」にあると推察している。

特にこのところのスクラップ相場への影響が強いと目される第二波に関しては、今年1―8月までに1560万トン、年換算で2300万トンが見込まれている。輸出先も103ヵ国と多岐にわたっているが、中でも最近は我が国最大の鉄スクラップ輸出国である韓国への流入増が見られており、今年はこのままいくと年間200万トン超が我が国鉄スクラップの代替となる可能性が高まっている。更に今後の中国からは、第三の波として「余剰銑鉄の輸出」、そして第4の波として従来のビレット販売網を活用した「余剰スクラップ」の輸出が2030年以降2600万トン規模にも拡大し、現状の薄物の割合の多い日本のH2では戦いきれなくなることを指摘している。

中国では内需減速を輸出でカバーする動きが加速しており、粗鋼減産にもかかわらず今年1―8月の鋼材輸出は7187万トンと前年比26・5%増に拡大、このペースで行けば年間1億トンを超えることも想定される。リーマンショック以降、粗鋼生産の伸びを鋼材輸出の伸びが上回る状況が続いているが、過剰生産の続く中国の生産能力は11億トンを超えるとも言われている。こうしたなかで中国政府は政府は2017年までに1億トンを削除する方針を示しているが、林氏は内需減速を考慮しておらず、その程度では過剰能力問題の解決は難しいと断じている。 同レポートはこうした中国の状況を分析した上で、鉄スクラップ関連事業者は、長期低価格時代が到来したことを前提とした事業運営が需給双方に求められること、更に今後の中国等との競合が見込まれるなかでスクラップの品位面で日本ブランドの定着を喫緊の課題と警鐘を鳴らしている。

3R推進フォーラム 容リ議論再開には言及なし 都内店頭回収PETなど話題に

3R推進フォーラム

容器包装3R推進フォーラム

3R推進団体連絡会は19日、東京都・北区の北とぴあにて第10回容器包装3R推進フォーラムin北区を開催した。 基調講演には同志社大学の郡嶌孝教授が登壇し、「容器包装3Rのさらなる推進について~それぞれの主体にできること~」というタイトルで講演。その後、国からの報告として、経産省リサイクル推進課の深瀬聡之課長、環境省リサイクル推進室の田中良典室長、農水省食品産業環境対策室の石黒裕規室長からそれぞれの省での取組を紹介した。 郡嶌教授が座長を務める産業構造審議会容器包装ワーキンググループでは、一昨年9月から容器包装リサイクル法の見直しが進められていたが、現在、1年近く議論が止まって状況だ。そういったなか行われた今回のフォーラムでは、新たな展開や現状について何らかの発言があるか注目されていたが、4氏から見直し議論についての具体的な言及はなかった。

午後には3つの分科会が開催され、第一分科会では「地域レベルでの3Rの取り組み」と題し、東京都、鎌倉市、武蔵野市、北区、それぞれの環境行政担当者が登壇。それぞれの地域の実情を反映した3Rの取組について話題提供が行われた後、議論に移った。この話題提供で東京都は、「再生利用されることが確実であると知事が認めた産業廃棄物」の収集運搬に関して、指定業者の認定を受けることで専ら物と同じ扱い(業許可・マニフェストが不要)が出来るという、「再生利用指定制度」を活用した店頭回収廃ペットボトルのリサイクルについて、概要や導入背景などを紹介。この取組は今年3月末から実施している。

制度の問題点として、現状では都内の店舗から都内のリサイクル施設に運搬する場合にしか適応されないため、大きな効果を期待することが難しいことなどを挙げている。この課題について、東京都は「他県市にも情報提供しており、他県市でも同様の制度が採用されることを期待している」と、会場に足を運んだ近郊自治体関係者に連携を呼びかけた。

日本再生資源事業協同組合連合会 鉄スクラップ・ウェスに危機感 都内で研修会開催

日資連の研修会

日資連の研修会

日本再生資源事業協同組合連合会(飯田俊夫会長、以下「日資連」)は17日、東京都・日暮里のホテルラングウッドにて研修会を開催した。 冒頭、飯田会長の挨拶では、直近の再生資源相場の不調について触れ、「特にウエスに関してはマレーシアの輸入規制の動きが懸念されるなど、輸出がなかなかできないという事態に陥っている。先日ある県の方とお話したところ、これからウエスは焼却に回すかもしれないという話があった。焼却され続ければ専ら物4品目から除外されてしまうという可能性もある。日資連ではこれをなんとか阻止したい。」と低迷するウエス輸出への危機感を露わにした。また同じく厳しい相場が続く鉄スクラップに関しても、「収集運搬費をもらわないとやっていけないという状況も見えつつある。平成2年の大暴落の際には、日資連が中心になってデモ行進を行った。今後、どのような対策に打って出るか、鉄リサイクル工業会など関連団体と連携することも含めて、検討していきたい。」と、連合会として共同声明文を発表するなど、何らかの対応策を打つ方針を明らかにした。

研修会では、資源新報社専務取締役・太田原覚氏から「古布の現状と展望」の講演、平林金属株式会社(本社・岡山県岡山市)の代表取締役会長平林久一氏から「戦後70年の再生資源業界の変遷」という題目で、講演が行われている。平林氏の講演では、昭和60年のプラザ合意後、急速な円高によって訪れた鉄スクラップの「逆有償ショック」の際、鉄リサイクル工業会の一員として逆有償PRのために説明会を開催し、県内の各組合・部会を回って駆け回ったエピソードや、当時の公正取引委員会とのやり取りなど、現在の厳しい状況に通ずる時代を乗り切った貴重な体験談が語られている。

その後、株式会社鉄リサイクリング・リサーチ代表取締役の林誠一氏から国内外鉄スクラップ需給の状況について講演が行われ、主な輸出先各国の今後の展望などを紹介。同氏がかねてから注目するインド市場の開拓には、多様な業態構造や歴史を理解する必要があることなど、課題がまだまだあるとしている。11月には更なるインド調査を予定しており、より詳細な状況が明らかになることが期待される。