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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2015年11月

中国再資源化産業 厳冬で業態転換も 日用品販売等への参入相次ぐ

中国経済の減速を背景とした世界的な資源相場の下落だが、発端となった中国での国内再資源化業界も厳冬の時代を迎えているようだ。現地ニュースによれば、2015年上半期における一定規模以上の再生資源総合利用事業所数は1500社弱と2011年の1000社程度から数は5割程度の増加を見せているものの、そのうちの25%以上ともなる400程度が損失を出しており、その額は12億元にものぼるという。

こうしたなかで今年10月末、我が国プラスチックのリサイクル及び中国向け貿易事業等を手掛ける中国系大手の大都商会が子供服メーカーのキムラタンとの間で業務・資本提携を結んだことが大きなニュースとなったことは記憶に新しい。キムラタンは大都商会の鄧明輝社長が代表を務める投資ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施し、8億円を調達。中国で日本製の紙おむつを販売する「青島大都国際貿易有限公司」の持つ販売網を活用し、現地での子供服の販売を強化するという。 こうした動きに関して中国系再生資源輸出企業の代表はこう語る。「金属やプラスチック等の中国向け輸出貿易は長期低迷時代を迎えた。今後は資源と異なるビジネスにこれまで蓄積した資産を投資できる企業が生き残る」。事実この社長の語るように我が国で廃プラスチックや雑品を輸出してきた企業が相次いで紙おむつや日用雑貨の中国向け輸出・現地販売事業に乗り出しているが、それだけに留まらず、訪日中国人向けの店舗経営や日本国内の個人旅行サービスの展開にまで事業の範囲を拡げつつある姿も見受けられる。

資源相場の低迷長期化も見込まれるなか、我が国からの中国向けの再生資源輸出がすぐ消滅するということは考えづらいが、今後更にこうした中国系企業の事業転換の動きの活発化も予想される。他方、我々の業は我が国の高いリサイクル率を支える地域社会インフラとして残っていかなければならない産業だ。この難局を乗り越えていくためにも、プラや金属などという業種の壁を越えて、従来と異なる市場開拓や再生資源そのものの商品としての価値向上、需要創出等に業界が力を合わせて取り組んでいくことが重要ではないか。

全国ウエイスト組合連合会 輸出不調の要因分析 新会長に庄司氏(兵庫)就任

WEEEシンポジウム

全ウ連の54期定時総会

全国ウエイスト組合連合会(中野聰恭会長)は15日、第54期定時総会を開催し、平成26年度事業報告、平成27年度の事業計画などが承認可決された。なお、次期会長には兵庫県の庄司治氏(庄司株式会社)が就任することも決定している。

事業報告として、今年度の社会状況を「戦後70周年の節目の年に当たり、安保関連法案の衆議院の可決や安倍総理談話が出されるなど、戦後レジームからの脱却に向けた政策が進んでいる」と総括。故繊維業界に関しては、「2014年末迄は、専業者が驚くほど、故繊維業界へ大胆かつ活発な新規参入があり、超過熱気味な動きを見せていた原料ボロ市場も年明けを境に急激な減速感が出始めた。輸出主導で引き起こされ「バブル」とも表現された原料ボロ過熱の崩壊現象が、円安が進んで輸出有利と言われる中で起こっただけに、従来のカントリーリスクと一言では説明しきれない複雑さがある。人とモノが自由に移動するグローバル経済を志向する一方で、現実に存在する国境や民族、宗教を統括する政治的矛盾が地球全体を覆っている。」と振り返った。

特に輸出の不調に関しては「国柄を無視した過剰輸出、輸出先相手国の通貨安、回収ボロの品質低下、自国産業保護名目などの輸入規制強化、マレーシアの消費税導入、中国の軍事拡張と経済格差の拡大、ASEAN諸国の労働工賃の値上がり、韓国経済不振の中でのウォン高など、様々な要因が複雑に絡み合った現象と思われる。遅まきながら故繊維業界も政治・経済が施行するグローバル化の矛盾に巻き込まれた。」と分析した。

前年度の事業計画で取り上げられた、ウエス製品の価格改定に関しては、円安による輸入品の価格上昇傾向やアベノミクスによるインフレ誘導策によって発生した食料品、日用品など、物価の値上がりと同時に、海外進出企業の国内生産への回帰も加わり、コストカット一辺倒だったユーザー側に「値上げ受け入れやむなし」のムードが醸成され、人手不足による工賃上昇、原料ボロの値上がりからすれば、「満足とは言えないまでも多少の値上げは進んだ」と一定の評価を下した。

他方、反毛原料に関しては、新規用途の研究はなかなか進まず、新規マーケットの拡大など積極的、前向きな進展はみられなかったものの、旧来の公共事業や自動車向けを中心に、定位安定で推移したとしている。 事業報告は文末、「戦間もなく設立され戦後復興、高度成長を支えた協働組合並びに連合会組織も戦後レジームの中にある。」という一文で結ばれており、今後、組合や連合会の在り方自体が問われる時代になることが予見されている。

三菱マテリアル 薄型テレビのリサイクル推進 高効率な分解システム開発

三菱マテリアル株式会社(竹内章社長、資本金:1194億円)ではこのほど、今後大幅な増加が見込まれる薄型テレビのリサイクル需要に対応するため、薄型テレビ分解システムを自社開発し、同社グループで家電リサイクルを行う東日本リサイクルシステムズ株式会社に導入・実用化したと発表した。

2000年代から市場が拡大してきた薄型テレビは、2009年4月に家電リサイクル法の対象品目として追加されている。国内におけるリサイクルの合計台数は年間約83万台(2014年度実績)となっているが、2020年にはこの8倍以上となる年間約700万台のリサイクル需要が発生すると同社は見込んでいる。で同社グループは、現在年間約14万台(2014年度実績、国内シェア約17%)の薄型テレビをリサイクルしているが。今後は現状シェア以上の処理を担っていくことを目指し、自社開発した分解システムを導入・実用化し、薄型テレビのリサイクル台数の増加を図っていくとしている。

分解システムは、さまざまな製品の生産工程で導入されているコンベヤートラッキング技術を薄型テレビの分解工程へと適用したもので、ねじの検知と取り外しの処理を同時並行的に行なうことで、薄型テレビの大きさにかかわらず、ねじ1本あたりの取り外し所要時間を2秒以下の高速化に成功するなど自動化とともに作業負荷の低減を実現。更に分解工程は夜間に無人で自動運転を行なうことも可能だ。 この分解システムについては、薄型テレビ以外のさまざまな家電製品への適用も期待されることから、同社ではグループの他の家電リサイクル会社へも横展開を図るほか、関連業界への販売も視野に入れている。