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WEB資源新報BackNumber 2015年12月

びんリユース推進全国協議会 各地域での取組報告 持続性持ったシステム構築へ

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッション

びんリユース推進全国協議会は先ごろ、環境省と共催でびんリユース推進地域協議会交流会を開催した。開会にあたり、同協議会の小沢一郎事務局長が「2011年に全国協議会が設立して以来、各地域でびんリユースを進めようという方針で取組を進めてきた。今日はその成果の報告と、これからのびんリユースに期待すること、今後の取組の方向性を探るような会になればと思う」と挨拶。その後、名古屋大学大学院環境学研究科特任講師で東海地域びんリユース推進全国協議会会長の松野正太郎氏が登壇し「びんリユースから考える持続可能な社会―環境+経済+社会=持続性―」という演題で基調講演を行った。

地域協議会からの報告では、京都の吉川商店での太陽光発電の取組、秋田の低コスト自動判別システムの開発を中心とした720ml茶びん回収システムの取組、関東甲信越のワインびんリユースシステムの取組、東海地域の地元酒蔵とタイアップしたリユースびん入り地酒を普及させる取組、奈良県でのリユースびん入り緑茶を地方公共団体の会議などに普及させる取組、大阪でのリユースびん入り緑茶の開発を中心とした普及啓蒙の取組などの成果や、今後の課題が報告されている。

その後行われたパネルディスカッションでは、鈴木弘幸氏(環境省リサイクル推進室室長補佐)、山形信寛氏(山梨県森林環境部森林環境総務課主任)、有田芳子氏(主婦連合会会長兼環境部長)、木内真二氏(日本酒造組合中央会業務第一部部長)、幸智道氏(びんリユース推進全国協議会副代表)、基調講演を行った松野氏が登壇し、リユースびんの今後について議論した。交流会は、びんリユースが将来に向けた社会システムとして持続性を確保できるように取り組んでいくことなどを宣言した「びんリユース取組宣言書」を採択し閉会した。

 

JESCO ベンゼン超過問題で謝罪 PCB廃棄物早期処理に暗雲

PCB廃棄物適正処理検討委員会

PCB適正処理検討委

環境省は先ごろ、PCB廃棄物適正処理に関する検討委員会を開催した。冒頭、10月30日に明らかとなった、JESCO北九州PCB処理事務所の排ガス中に、同市との協定値(45mg/Nm3)のベンゼン(520mg/Nm3)が検出された問題で、JESCOの谷津龍太郎社長(前環境事務次官)がこれまでの経緯を説明し、謝罪。協定値を超過した原因は、固形排出物重点槽系廃棄対策の不徹底、排気システムの不備という、ソフト・ハード両面での不備に加え、活性炭処理の前段階で、油分を除去するべき深冷クーラー(熱交換器)が頻繁に閉塞しており、熱交換機能を停止させ、活性炭の交換頻度を上げていたことも明らかになっている。本来であればこういった作業手順の変更がある場合は、「PCB廃棄物処理施設の設備改造・運用変更手続き等に関する措置について(通達)」および「北九州事業所環境・安全評価実施要領」に基づき、施設の改造・変更に係る審査を実施しなければならないが、今回、その手続きも踏まれていなかった。これについて、環境省の鎌形廃棄物・リサイクル対策部長は「技術的な問題を越えたコンプライアンス・ガバナンスの問題で極めて遺憾。PCB処理は地元住民との信頼の上で進めていかなければならない。非常に重要な問題と受け止めている。」とJESCOに対して、更なる原因調査と改善を指導した。

また、JESCOでは、この事態を受け「北九州PCB処理事業所での協定値を超えるベンゼンの検出の事案を受けたガバナンス・コンプライアンスに係る有識者委員会」を急きょ設置し、11日夜に第1回会合を行っている。外部の有識者を招聘し、社内の体質改善を図るとしている。

問題発覚後、JESCO北九州事業所は操業停止となっているが、北九州市では検証作業の終了後に市民向け説明会を開催し、開催前の運転再開は認めない方針を明らかにしている。現在、高濃度PCB廃棄物に関しては、平成30年度内(北九州事業)の処理完了を目指し、取組を加速させるための追加的方策の検討を進めているところだが、今回の問題はその流れに大きく水を差す結果となった。処理期限の延長や変更が繰り返されたこれまでの経緯もあり、本当に期限内に処理完了できるのか、疑問符を打たざるを得ない。

スズトクHDと大栄環境HD 「和製静脈メジャー」の推進へMVJ設立

金属スクラップを中心とした総合リサイクル事業を展開するスズトクホールディングス株式会社と廃棄物処理業の大栄環境ホールディングス株式会社では今月10日付けで、今年10月に締結した包括業務提携契約に基づき、共同出資会社「メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社(MVJ)」を設立したと発表した。社名に含まれたヴィーナスという表現は英語で「静脈」を意味しており、日本を代表する「和製静脈メジャー」の設立・推進を目指す両社の強い想いが込められたもの。

廃棄物処理やリサイクルは必要不可欠な社会インフラだが、リサイクルビジネスの事業規模は一般的に小さく、これまで投資や営業活動にも制限があった。こうしたなかで、MVJは業界最大手のスズトクHDと大栄環境が持つ資本やノウハウを有効活用し、両社間連携をスムーズに図っていくことを目的に設立された。今後は3社間連携を図りながら、国内事業基盤強化と全国の排出事業者や自治体ニーズに対応、更に国際的にも競争力のある企業グループを形成しながら、「静脈メジャー」として業界全体の再編と振興を図ることで「社会インフラ」としてのリサイクルビジネス全体の活性化を図る方針。

具体的には、廃棄物処理・リサイクルの全国ネットワークを活用したトータルソリューションの提供を進めるほか、「シュレッダダストの減容化」、「ミックスメタルの資源化」、「一般廃棄物処理」を想定した静脈産業もデリ施設の整備、国内外リサイクルビジネスのM&A、次世代技術・設備の商用化に向けた研究開発活動「R&D」を推進し、国が進める静脈産業の海外展開等を実現するためのFS調査事業等に積極的に参画するとしている。新会社MVJは、資本金1億円で出資比率はスズトクHD、大栄環境で50%ずつ。本社を東京都千代田区大手町1―7―2サンケイビル15階に置き、代表取締役会長に鈴木孝雄氏(スズトクHD代表取締役会長グループCEO)、代表取締役社長に金子文雄氏(大栄環境HD代表取締役社長)が就任する。