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WEB資源新報BackNumber 2016年1月

日本鉄源協会 2014年度蓄積量は923万トン増 鉄スクラップ消費減、回収率も低下

(一社)日本鉄源協会ではこのほど、2014年度末(2015年3月)における我が国の鉄鋼蓄積量の推計を取りまとめ、公表を行った。鉄鋼蓄積量に関しては、同年度の鉄鋼生産量から間接輸出入を含む鉄鋼輸出入を加減し、鉄スクラップの市中購入量を差し引くことにより推計しており、各年度の蓄積量増分を累計して、累計鉄鋼蓄積量を算出している。発表によれば、2014年度の鉄鋼蓄積量の増減は5年連続の前年同となる923万トン増となった。この結果、2014年度末の累計鉄鋼蓄積量は推定13億4846万トンとなっている。 蓄積量増減を前年度と比較すると、蓄積量増大に寄与した項目は鉄鋼輸入(25万トン増)、鉄スクラップ消費減(179万トン減)となった。一方で、鉄鋼生産(55万トン減)、鉄鋼輸出(29万トン増)が減少要因となり、全体として前年度蓄積増減に対して121万トンの増加となっている。

輸出の内訳では、全鉄鋼輸出が対前年21万トン減の4228万トンで、引き続き4000万トンを超える高水準を維持した。向け先別では、中国向けが対前年7・3%減(45万トン減)の572万トン、東南アジア向けが同1・5%減(41万トン減)の2681万トン。一方、米国向けは同5・7%増(14万トン増)の253万トン。鋳鍛鋼輸出は対前年5000トン増の12万トン、間接輸出は同7万トン減の2048万トン、鉄スクラップ輸出は同56万トン増の776万トンとなり、この結果、鉄鋼関連輸出合計は対前年29万トン増の7064万トンとなっている。また、鉄スクラップの輸出量の約50%を老廃スクラップとした場合、2014年度の推定老廃しクラップ回収量は2390万トンで、前年度累計鉄鋼蓄積量に対する回収率は1・78%と前年に対し0・24ポイント低下した。

なお、鉄鋼蓄積量の推移では、1973年度(4708万トン)、1990年度(4483万トン)の2度のピークの後は減少が続き、リーマンショック後の2009年度には59年ぶりのマイナスを記録。ただ、2010年度以降は回復を見せ、2013年度802万トン増、2014年度923万トン増と再加速している。(別表を参照)累計蓄積量の年度別伸び率では、1960年代11・6%増/年をピークに、1970年代6・8%増/年、1980年代3・8%増/年、1990年代2・5%増/年、2000年代は0・8%増/年まで鈍化傾向が続き、2010―2014年度平均は0・5%増/年まで低下している。

製紙連合会 紙・板紙需要、6年連続のマイナス 15年は前年比2.1%減の見込み

日本製紙連合会 (進藤清貴会長) ではさきごろ、 2016年の紙・板紙の内需試算をまとめた。それによると、 紙・板紙合計の需要量は前年比1・1%、 29万3000トン減少の2657万5000トンとなる見通しで、 リーマンショック後の落ち込みから若干の回復を見せた2010年以降、 6年連続でのマイナス成長と予測した 。

なお、 2015年の内需実績については、 2014年比2・1%減少の2686万8000トンとなる見込みで、 年初予測の2718万3000トンからも31万5000トン下回っている。 紙・板紙別で見ても、 紙は1534万6000トンで2014年比3・4%減少 (2006年をピークに9年連続減少)、 板紙は1152万2000トンで同比0・3%減少 (2012年以来3年ぶり減少) と、 紙・板紙ともに減少となった。

2016年については、 新興国経済の減速による影響等が懸念されるが、 企業業績は堅調と見られ、 インバウンド効果も引き続き見込まれることから、 景気は緩やかに回復することが予想される。 こうした経済環境の下、 板紙は堅調な食品分野を中心に増加が見込まれるものの、 紙分野については電子媒体へのシフトやペーパーレス化が進み、 紙・板紙全体としては2015年を下回るものと予測している。  紙・板紙別で見ると、 板紙は1156万8000トンとなる見通しで、 前年比0・4%、 4万6000トンの増加となっている。 これは、 段ボール原紙で主力の加工食品等の食品向けがプラスとなると見込まれることなどによるもの。

これに対し、 紙分野では前年比2・2%、 33万9000トン減少の1500万7000トンの見通しとなった。 紙分野のマイナス成長は2006年をピークに10年連続となった。 衛生用紙、 雑種紙でプラスを予測しているものの、 主力の新聞用紙は企業業績の改善から広告市場拡大が予想されるものの、 広告の他媒体へのシフトが続くことから広告出稿は低調に推移すると見られ、 ページ数の増加は期待できないこと、また、 印刷・情報用紙については、 電子化やペーパーレス化等により減少継続が見込まれること等から、マイナスとなっている。

容器包装リサイクル法 見直し審議が再開 プラ製容器包装などで施策示され

2014年9月から中断されていた容器包装リサイクル法の見直し議論が再開された。 2013年から中央環境審議会(環境省)と産業構造審議会(経産省)の合同で14回の会合が設けられたが、1年以上会合が開かれていない状態が続き、昨年10月には内閣府規制改革会議から「閣議決定に違反した状態が続いている」として改善を要請されていた。 会合の冒頭では、これまで審議が中断されていたことについて、環境省と経産省から謝罪があり、中断理由と再開の経緯について、「前回会合以降、各主体の役割分担やプラスチック容器包装の再商品化手法の在り方など、主要論点について、関係省庁、ステークホルダー間の考え方の隔たりが大きく、有意義な議論をする環境が整っていなかった。関係省庁で、再開に向けた論点の整理、ステークホルダー間の共通認識を拡大する努力を続け、ようやく再開できる環境が整った。」と説明した。

プラスチック容器包装の再商品化手法のあり方について、関係主体間での調整を終え、今会合で示された主要論点は以下の4つ。①諸外国の制度も参考にしながら、公表されているデータに基づき認識を共有すべき。また、それぞれの手法について環境負荷低減と資源の有効利用、経済コスト、解りやすさなどの観点から検討すべき。②材料リサイクルかケミカルリサイクルかという2者択一ではなく、それぞれに課題があることを踏まえ、再生材市場に応じた多様な再商品化手法のバランスの取れた組み合わせを保ちつつ、健全な競争ができるよう、再商品化手法の特徴と再生材市場に応じた環境整備を行うべき。③固形燃料化について、一般枠における通常のリサイクル手法として認めるべきとの意見が出される一方で、市町村がコストをかけて収集したものを燃料として利用することは、市町村における説明がつかないとの意見が出された。どのように位置付けるべきか。④再商品化をより円滑に進めていくため、再生材の需要拡大の促進方策を検討すべき。

また、これらの論点を踏まえ、考えられる施策としていくつかの具体例が示されている。一つは、総合的評価制度などの入札制度の見直し。具体的には、総合評価制度における評価項目の再生材の質の向上に関わる項目の重点化、品質管理手法などの評価の進化、点数配分の見直し、登録要件項目の見直しなどが挙げられている。また入札制度に関しては、設備能力に応じた落札可能量の制限や、材料リサイクル優先A枠の一定の競争倍率を設定している現行の入札制度よりも、「優良な事業者がよりポテンシャルを伸ばせるような優れた入札制度を検討する」として、これまで毎年のように発生していた「総合評価では上位の事業者が落札できない」事態にメスを入れる姿勢を見せている。また、材料リサイクル事業者の登録要件の見直しを行い、希望する材料リサイクル事業者は優先枠を放棄し、一般枠での入札を選択できる仕組みを導入するなど、入札制度に大幅なテコ入れを行う見通しだ。

なお、PETボトルについては、安定的な国内循環の構築や、市町村の独自処理問題が主な論点となり、具体的な施策として独自処理を行っている市町村への聞き取り調査などが一例として示されている。 そのほか、店頭回収について、収集量拡大の観点から、その法的位置づけや店頭回収を行う事業者へのインセンティブ付与なども検討すべきとしている。