日刊資源新報購読お申し込みはこちら

再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2016年10月

スズトクグループ 社会還元率は84%に 「環境社会報告書2016」を発刊

スズトクグループ環境社会報告書2016

環境社会報告書2016

金属スクラップを中心に廃家電や廃自動車、産業廃棄物などの総合リサイクル事業を展開するスズトクグループの持ち株会社スズトクホールディングス株式会社(松岡直人代表取締役社長グループCOO)はこのほど、「スズトクグループ環境報告書2016」を発刊した。それによれば、同グループの2015年度における金属スクラップなどの使用済み資源の受け入れ数量は前年度比3万3397トン増の106万2597トンとなった。一方、再資源化重量に関しては81万5900トンとなり、前年度比6万400トン減少した。これにより、同グループの再資源化物の社会への還元率は約84%になったとした。

受け入れた資源物106万2597トンの内訳は、金属スクラップが前年度比2万3219トン増の76万3419トン、産業廃棄物が同比9310トン増の5万5910トン、廃家電が同比2788トン増の4万4388トンなどと増加したが、廃自動車が同比7476トン減の18万4124トン、廃自販機が2032トン減の4468トン、古紙が同比143トン減の2557トン。なお、小型家電は7731トンの受け入れ量となった。 一方、再資源化量81万5900トンの内訳では、鉄が同比5万4800トン減の74万6700トン、非鉄金属が同比5400トン減の5万1700トン、製紙原料が同比100トン増の3200トン、その他が同比300トン減の1万4300トンとなっている。 このほか、事業活動に伴う発生廃棄物量は15万6000トンと前年度から3590トン減。事業活動に伴うCO2排出量に関しても、前年度比1200t―CO2の減となる2万5100t―CO2と、2013年以降3期連続の削減を達成している。

また、同報告書にはこうした実績値以外に、グループの多様な取り組みとして、認定事業者として取り組んだ小型家電リサイクル実証事業では3年間合計の実証自治体数が55と最多クラスになる実績を達成したほか、東日本大震災の復興支援として発足した「ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会」の事務局としての活動などが報告されている。

ナカノ 資源循環技術・システム表彰「会長賞」受賞で講演 再生糸の他用途化に課題も

スチール缶リサイクル協会の2015年度実績公表

講演を行った窪田氏(右)

繊維リサイクルのトップランナーであるナカノ株式会社(本社・神奈川県横浜市、中野博恭社長)は先ごろ、平成28年度の資源循環技術・システム表彰にて(一社)産業環境管理協会会長賞を受賞したが、授賞式に合わせて開催された3R先進事例発表会にて受賞内容に関する講演を行った。

同社の需要は、「用途不能廃棄衣類を活用した『特殊紡績手袋よみがえり』」が高い評価を受けたもの。回収される廃棄衣類の中には、市場価値が無く廃棄物にならざるを得ない複合材や短繊維のものなどがあったが、同社は短繊維でも製糸可能な「特殊紡績」という伝統技術にて再糸化に成功。手袋という商品にして2009年から販売を開始し、JIS規格を上回る耐久性と品質に加え、非リサイクル製品とそん色ない価格を実現したことで、2016年8月末時点の累計販売枚数は284万双に達している。また、廃棄衣類の削減効果はYシャツ換算で約67万枚(約135トン)、糸の総延長は地球約37週に相当する147万kmで純軍手代替によるCO2抑制効果は東京ドーム5個分の森林に相当する106トンに達している。

講演を行ったナカノのリサイクル部事業企画室長の窪田恭史氏は「『家庭用品規制法』に定められる有害物質基準もクリアする弊社の再生糸は、軍手以外の用途にも使用可能だが、今後の課題としては軍手以外の用途を経済ベースに載せることにある」と語っている。

栗原氏「回収量60万トン増命題」 古紙センターが紙Rセミナーを開催

紙リサイクルセミナー

紙リサイクルセミナー

(公財)古紙再生促進センター(渡良司代表理事)はこのほど、紙リサイクルセミナーを開催した。今年の講演内容は「ポストリサイクル64計画目標について―新たな古紙利用率目標の策定―」(日本製紙連合会・上河潔常務理事)、「オフィス発生古紙の回収とリサイクル~未利用古紙の現状と回収促進のために~」(グローバルプランニング・小笠原秀信取締役)、「家庭から排出される古紙の現状と古紙利用率の向上に向けた取組について」(古紙センター業務部業務課・濱野彰吾主任)となっている。

冒頭、渡理事は「今年度から新たな古紙利用率目標値が設定され、2020年度65%になった。板紙分野の古紙利用率が限界に近いなかで、さらに利用率を上昇させるには、紙分野での利用を増やしていかなければならない。そのためには、紙分野で使用できる良品質の古紙の回収を増やしていくこと、雑誌系古紙の雑がみ化への対応などが肝要となる。今後、古紙品質の実態調査、禁忌品の調査、内外需給状況の入手により、的確な状況把握を行い、関係者間の共通認識形成に努め、古紙利用率の向上に向けた取組を推進していきたい。また、雑がみ、オフィス雑がみ、機密文書などの未利用古紙の回収利用、リサイクル対応印刷物の普及など、様々な個別テーマについても引き続き取り組んで行く」 と挨拶。

また、国内回収量の仕向け先20%を占める輸出については、「日本の古紙の輸出先はほとんどが中国や東南アジア向け。中国の古紙需要は依然として旺盛であり、東南アジアも紙・板紙生産量は伸びている。さらにアメリカやヨーロッパの紙・板紙の消費構造、古紙消費の変化に伴い、古紙輸出に影響が出てくる可能性がある。日本の紙リサイクルへの悪影響を避ける意味でも、これらの国の行政、製紙業界、古紙回収、流通業界、学術団体などの関係者と交流し、相互理解を深め、古紙市場や経済動向についても知見を深めていく必要がある」と述べた。この活動の一環として、今年度も11月に日中古紙セミナーを開催する。

閉会の挨拶では、栗原副理事長が登壇。当日の講演内容を振り返った後、「新たな古紙利用率目標の設定は、古紙業界にとっては昨年度の回収量からさらに60万トン増やすという命題が与えられたということ。全原連では今年度新たに2020年度対策特別委員会を設置し、対策に当たっている。現在、目標年度までのタイムスケジュールを設定し、回収量の拡大を図っており、引き続き皆さまのご支援・ご協力を賜りたい」と述べた。