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日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2016年2月

直富商事 地域貢献事業を深堀り 故人の想い繋ぐ「遺品整理」展開

長野県内にて鉄・非鉄などの金属リサイクルを中心に古紙、廃プラスチックなど各種再生資源、更には廃棄物処理、中国貿易など幅広い事業を手掛ける総合静脈企業・直富商事株式会社(本社・長野県長野市、木下繁夫社長)ではこのほど、地域貢献の一環として「遺品整理士」および「遺品鑑定士」の資格を取得したと発表した。取得したのは同社環境部社員2名。

近年「遺品整理」の需要は急増しつつあるが、それに伴い違法業者によるトラブルも増加しているのが現状だ。こうしたなかで、同社ではこれまで一般家庭における不用品等の処分を手掛けてきたが、地域への貢献を更に深めるべく今回「遺品整理士」と「遺品鑑定士」の資格を取得したもの。遺品には亡くなられた故人の想いが込められており、その想いを遺族に繋げるとともに、正しく専門的な知識に基づく遺品整理を地域で展開していく。同社の遺品整理に関する問い合わせは環境部(026―222―1884)へ。

また、直富商事では長野市において一般家庭における家屋解体ほか引っ越しゴミ・粗大ゴミ等の片づけに当たり、Tポイント(或いはブルカポイント)を付与するなどのサービスも取り入れ、地域に還元を図っている。日本が突き進む少子高齢化社会のなかで、スクラップ等の既存のビジネスだけに捉われず、地域と共生を図る企業として何をすべきかを追求する同社の更なる取り組みが期待されるところだ。

エンビプロHD第2四半期決算 多様性推進と転換へ 人材と新規事業の育成図り

鉄・非鉄スクラップや廃プラスチックの加工・販売等といった総合リサイクル事業を展開する株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社・静岡県富士宮市、佐野富和社長)ではこのほど、2016年6月期第2四半期の決算説明会を東京・兜町にて開催した。鉄スクラップを中心とした再生資源相場の急落するなかで、第2四半期に関しては売上高が前年同期比5・5%減の153億6900万円と振るわなかったが、営業利益は同比55・3%増の4億1800万円、経常利益が同比9・9%増の4億8200万円、四半期純利益は32・1%増の3億5800万円と増益。佐野社長は「前年同期が非常に悪かったこととの比較による増益」と述べたが、メインとする鉄スクラップなどに収益を依存し過ぎない同社の事業多角化・総合化の効果が顕著に反映される内容となった。

同社のの品目別売上高で見てみると、昨年第2四半期で54%を占めていた鉄の比率は44%にまで低下、代わって伸長を見せたのが太陽光発電など資源リサイクル以外の分野での売上比率は前年の10%から20%を占めるに至っている。こうした状況について佐野社長は、「鉄スクラップ・非鉄金属等の資源価格の下落と過当競争・設備過剰により、収益が縮小傾向にある」と述べる一方、IoT活用による収集効率化等の取り組みや自社での直接開発及び匿名組合出資等を組み合わせた太陽光発電事業が、開発中のものも含め24・4MW(前期7・2MW)まで拡大したこと等が増益要因と説明。 また、これまでエコネコル、アビズで展開してきたASR再資源化事業を函館のクロダリサイクルで開始したことや弾性舗装材向けゴムリサイクルでのマーケット占有率が高い東洋ゴムチップをグループ化し、金属相場に左右されない事業領域の拡充を進めていることについては、「第2四半期での収益には結びつかないが、今後、安定的な収益が見込める」(佐野社長)としている。

他方、主力の鉄スクラップに関しては、相場が現在、第2四半期末(H2・1万7500円/トン)よりも低位にあることから厳しい状況が続くとの見通しを示した。韓国向け輸出の停滞で売上に占める割合も国内が39%(前年同期30%)まで上昇しているが、こうしたなかでインドやU.A.E等、より遠隔地に低リスクで販売できるコンテナ輸出の集荷拠点を拡充する方針を示した。 また、新規事業としては、今後国内で急成長が見込まれるバイオマス発電向け燃料をベトナムから調達するといった新規商材の開発や新たな顧客との接点を拡大するためのコンサルティング会社の新設。更に企業の多様性を推進する人材マネジメント強化施策として「エンビプロ・ビジネススクール」を解説、事業領域拡大に向けた企業内起業家の養成も行うなど、人と戦略を同期させることでの組織強化を進める。 なお、通期業績見通しは、売上高が7・1%増の348億5200万円、営業利益が12・3%増の8億3500万円、経常利益が0・6%増の10億700万円、純利益が3・0%減の6億6500万円を見込む。厳しい環境下、リサイクル機能を強みとした総合サービスプロバイダーへの転換を目指す同社の取り組みが注目されるところだ。

東京都リサイクル事業協会 入札のあり方テーマに 「10・8」通知巡りフォーラム

東京都リサイクル事業協会のフォーラム

東R協フォーラム

(公社)東京都リサイクル事業協会(栗原正雄理事長、以下「東リ協」)は2月16日、東京都千代田区のメトロポリタンエドモントにて、「リサイクル事業委託のあり方と再生資源市場動向について」と題し、フォーラムを開催した。 開会に先立ち、同協会の戸部昇副理事長から、「今日は、私たちの行っている事業のなかでも、特に市町村関係のリサイクル事業についてお話を伺くため開催した。今から24年ほど前、東京都の区市町村において、ごみ減量の観点から分別回収が開始された。当時、行政でのリサイクルを始めるにあたって、『安定的・継続的に行う』というのが重要な課題だった。これを実現するために、区市町村との契約はほとんどのケースにおいて随意契約というかたちになっていた。ただ、この5年ほど、競争入札を取り入れる区市町村も増えてきている。入札に切り替わり、これまで設備投資してきたにも関わらず『来年から1年仕事が無い』という事態は、業界の発展という意味でも絶対に避けなければならない。そういった意味で今回のフォーラムでは、この契約のあり方をテーマのひとつとした。」と、今回のフォーラムの開催の主旨を説明した。

その後、来賓代表として、井上信治環境副大臣が登壇し、「家庭から出てくる古紙や缶、びんなどの一般廃棄物収集運搬やリサイクルなどの処理は国民生活に極めて密着した、一日たりとも止めることのできない地域社会における基幹的事業。皆様方の不断のご努力によって、東京尾の生活環境が保たれていることを十分に理解しており、環境省としてもその活動をしっかりと支えていくことが重要と考えている。一昨年には、環境省から都道府県知事等に対し、一般廃棄物処理計画を踏まえた廃棄物処理法の適正な運用の徹底をお願いする通知を出したところ。この通知について、大変関心を持っておられるということで、今回、環境省からの講師が説明させていただく」と挨拶を述べた。

講演終了後、「陽春のつどい」と銘打ち懇親会が開かれ、挨拶に立った栗原理事長は「紙のリサイクルに関して、現在3割ほどの自治体が入札で行っている。過去、紙のリサイクルを維持するために随意契約にしてほしいという文章を、関東の全市区町村の首長宛てに2回ほど出している。特に、古紙がタイトな時、専門業者以外が高値入札してしまうと、一年間紙リサイクルに携わっている地域の業者の仕事が無くなってしまい、準備した車両や設備が無駄になってしまう。高値で落札した専門外業者は、古紙が余剰になってくると寄り付かなくなる。紙のリサイクルは継続性が第一。そういったことを改めて考えさせられる講演だった」とフォーラムの感想を述べた。懇親会には東京都環境局資源循環推進部の谷上裕部長や東リ協顧問の古賀俊昭東京都議会議員、小礒明東京都議会議員ら、各方面から多数の来賓が参席。王子エコマテリアルの田口満専務取締役の発声で乾杯、懇談となった。