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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2016年6月

アルミ缶 2015年度は90.1% R率に輸出向け算入 CANtoCANは74.7%

2015年度の我が国使用済みアルミ缶のリサイクル率が90.1%と大台を突破、2012年度以来となる4年ぶりの90%超えを達成している。 このほど一ツ橋の如水会館で開催された 「アルミ缶リサイクル協会」 (理事長=遠藤政宏昭和アルミニウム缶社長)の通常総会後の記者会見で発表された。2012年以降急増している我が国からの使用済みアルミ缶輸出の下で、 全体的なリサイクル率の算定が難しくなっているため、 同協会は国内循環の再生利用率で算出する従来までの定義を変更、 輸出量を含んだ全立居の回収量で算出する方式に改めている。

特に輸出統計については、 2015年からアルミ缶に財務省の品名コードが付与されたことで輸出量の把握が可能となり、これによってアルミ缶全体のリサイクル率の算定が可能となったことで、15年度のリサイクル率が12年度以来となる90%台突破につながった。ただ、 UBC (使用済みアルミ缶プレス) 輸出ドライブの高まりの下で、 国内循環に限定した国内再利用のリサイクル率は前年度比10・3ポイント低下した77・1%に止まることになった。なお、UBCを再びアルミ缶に再利用したCANtoCAN率は11・3ポイント上昇した74・7%となっている。

輸出を除いた国内リサイクル率の低下は、 輸出通関量の高水準維持や、安値輸入地金の大量入着による国内UBC需要の低下、更には国内市況の軟化によって表面化した流通在庫の積み増し等によるもので、 国内循環は全体的に停滞を余儀なくされている。主に韓国向け輸出が増加する直前の12年に記録したアルミ缶のリサイクル率は、94・7%に達していたが、その後の韓国向け輸出ドライブの下でリサイクル率が低下、 従来までの定義で算定されたリサイクル率は13年度の83・8%、 14年度87・4%となっていた。

読売リサイクルネットワーク 「読売の森」植樹活動を継続 第66回中央委員会開催

読売リサイクルネットワーク (YRN) ではさきごろ、 品川プリンスホテルにおいて、 第66回目となる中央委員会を開催した。読売リサイクルネットワークでは読売新聞東京本社管内の新聞販売店の読者サービスの一環として、 関東一円の販売店と回収業者が連携し、 古紙回収を行うシステムを行っており、 既に30年を超え、 年間2万トン超の回収実績をあげる事業を展開している。

読売の森

植樹活動を行う読売の森

中央委員会では、各地区から「回収業務の効率化を図る必要があるが、それが回収精度やサービス水準の低下につながらないよう努めることが不可欠」との課題があげられ、販売店と回収業者の連携事例として、以下のような内容が報告されている。
・販売店と回収業者間のミーティングの徹底(朝礼、 終礼、 事前打ち合わせ)
・情報共有の工夫 (後出し、 回収漏れ読者宅を地図上へマーキングし情報を常に最新に更新する、 申し送りノートを作成し、 注意事項の伝達を徹底するなど)
・販売店・回収業者の役割分担 (業者のみでは回収困難な場所への案内、 夕刊配達時の回収漏れチェックなど)

また、 2013年に岩手県宮古市で始められた植樹は本年で4年目を迎える (1年目、 2年目=宮古市、 3年目=山梨県甲斐市)。今年は宮城県大崎市を予定しており、 植樹が下流地域を潤す水を育むのみならず、 広葉樹の植樹が地元の名産品である鳴子こけしの原料を育て 「地場産業の振興」 にもつながることが期待されている。 YRNでは今後も社会貢献事業としての植樹活動を続けていきたいとしている。

廃掃法 改正に向け関係者が要望 日本建設業業界、東京都、全国産業廃棄物連合会

環境省は先ごろ、5年に1度の廃棄物処理法の改正に向けた有識者会合(中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会)を開催した。2回目の開催となった今回は、関係者からのヒアリングが行われており、(一社)日本建設業連合会、東京都、(公社)全国産業廃棄物連合会が招聘され、各団体から見た廃棄物処理法に係る現状や課題が報告された後、質疑応答が行われた。以下、各団体からの報告の概要を要望や課題を中心に紹介する。

【日本建設業連合】
現状の課題として、中間処理業者が適正に再資源化や縮減を実施しているかどうか、排出事業者側からはわからないことを挙げたほか、中間処理施設で「再生」し「売却」したとするものは、廃棄物処理法の規制外となるが、実態として「不適正処理の隠れ蓑となっているケースが存在すると思われる」とした。これらの解決へ向け、①売却品を含めたマテリアルフローの情報公開(搬出先の実名含む)を優良認定の条件に加えることや、②「再生事業者登録制度」に品質管理基準を定め、再生品を売却する場合は品目ごとに登録することを義務付けることなど、再生実態を把握できるようにすることを要望した。そのほか、マニフェスト交付等状況報告書の集計データや廃棄物処理業者の許認可情報など、電子情報を一元管理すること、建設現場内での「自ら処理」を幅広く認めること、廃棄物該当性判断における「市場価値の有無」について、輸送費を含めず判断することなどを要望している。

【東京都】
不用品回収業者が家電などを雑品スクラップとして海外輸出している問題などを挙げ、環境汚染を生じるリスクがあり、廃棄物処理法の規制対象とすることが有効であるものに関して、規制範囲を拡大し、トレーサビリティを確保する必要性を訴えた。逆に環境汚染のリスクが十分に小さく、製品等の有用性が確保されていても、有償売却できないために「廃棄物」となる場合があるとして、廃棄物の明確な「卒業判定」基準が必要とした。そのほか、都道府県知事による再生利用指定など特例措置の実効性の向上、店頭回収や宅配時の引き取りなどに係る法的扱いの明確化、テナントビルにおいて、オーナーや管理会社が分別・保管などの管理権限を有しているため、各テナントに排出事業者責任を求めることは困難であること、などが報告されている。また、都道府県が独自で運用する「第三者評価制度」について、国の優良認定制度と同様に、優遇措置の拡充が必要としている。具体的には、都道府県が独自に優遇措置を設けることができる制度や、計量システムやGPSによりトレーサビリティを確保している優良認定業者に委託する場合はマニフェスト不要とする制度などを例として挙げた。

【全国産業廃棄物連合会】
連合会では、一昨年より法制度委員会を中心に議論を重ね、27項目の要望事項を取りまとめ提出している。主なところを以下にまとめると、業許可関連では、申請書類や添付書類の様式の全国統一化など申請手続きの合理化、優良認定業者への優遇措置の拡充、欠格要件の緩和、「選別」の業の行為としての明確化、有償譲渡が予定されているものなどに関する保管量上限規制の緩和、様式の統一化などマニフェスト制度の見直しなどを要望した。廃棄物区分や品目分類に関しては、同一品目の産業廃棄物種類の判断を全国同一のものにすること、特管物の限定措置の撤廃、地方公共団体の判断による産業廃棄物指定制度の創設と業種指定の撤廃などを要望している。排出事業者責任については、適正処理のためには、「経済的な背景による影響を極力受けない制度設計が必要」として、WDSガイドラインの委託基準化を求めた。また、契約品目以外の廃棄物が混入した場合の法的責任の明確化、適正処理に要する費用負担の徹底、マニフェストの交付義務の強化・徹底なども求めている。そのほか、地方公共団体が設ける独自規制について、国、地方公共団体、産業廃棄物処理業界の三者が意見交換する場を作ること、運搬車両が荷を積んだ状態で一時的に駐車する「積み置き」について、やむなく行う場合は運搬の一環として認めることなどが要望されている。