日刊資源新報購読お申し込みはこちら

再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報 リサイクルコラム

PETボトルリサイクルの国内循環のあり方をどう考えるか (2014年8月)

国内向け再生PETフレーク

国内向け再生フレークの異物除去

現在、進められている容器包装リサイクル法の見直し審議のなかで、PETボトルリサイクルの循環利用についてが議論された。このなかで中心となったのは、高度なリサイクルとされるBtoBなどの成長が見込まれるなかで、いかに原資となる使用済みPETボトルを海外に流出させずに国内にとどめてリサイクルを進めるかということである。使用済みPETボトルの国内市場は、販売量58万トンに対し、市町村分別収集30万トン、事業系回収23万トンで50万を超える規模となっているが、本来、法の趣旨でもある国内の再商品化事業者に市町村分別収集から引き渡されるものは20万トン程度に止まっており、30万トン以上が海外に流出するという格好となっているのが現状である。

PETボトルの国内リサイクルについては、近年、従来手法と比べて低コストで高品質な原料を製造出来るメカニカルリサイクルという手法が登場し、BtoB(ボトルtoボトル)などに活用されることで国内での需要は増加傾向を示している。市場関係者は、同手法などの高度リサイクルによる再生樹脂の需要は今後10万トン程度まで成長するとの見通しを示しており、単純計算すれば国内での再生利用は従来の20万トンに10万トンを加えた30万トン規模にまで拡大することとなる。

ここで問題となるのが、使用済みPETボトルを如何に確保していくかということである。50万トン超の市場規模に対し、国内20万トン、海外30万トンという形で推移してきた廃PETボトル市場に、この新たな手法による10万トンの国内需要増が発生すれば、原資となる廃PETボトルを巡って国内において今まで以上に熾烈な競争が繰り広げられることとなるのは想像に難くない。このため、国内の廃再商品化事業者からは、国内需要が拡大するなかで、少なくとも市町村分別収集量の30万トンを容器包装R法に則った国内ルートへの引渡を強く求めているのが現状である。

一方で、国内の廃PETボトルリサイクルは、過去に容器包装リサイクル法の枠組みのなかで、トン数万円の逆有償という状況にあり、収拾を担っている自治体の負担増と国内での再商品化事業者の乱立や競争力の低下という事態を招いたという歴史がある。中国の資源需要の増大により、廃PETボトルを中国が直接買い付けるようになると、負担軽減を図りたい自治体が輸出に動くのは合理的な選択あった面もあり、廃棄物から資源となった廃PETボトルの買い付け競争に対応できず、市場から退出を余儀なくされる国内再商品化事業者が出たことも記憶に新しい。これを再び国内に全て戻すというのは、再商品化事業者にとっては海外との競争をシャットアウト出来るというメリットがあるが、自治体側がこれに抵抗感を示すのは当然のことと言えるかもしれない。

こうしたことから、再商品化事業者等では、自らが小売店などの協同し、店頭回収を行うなど自治体を介さぬ回収ルートの構築を進める動きも活発化しており、これらを容リ法の法定ルートの枠組み下に置くべきとの議論も行われている。ただ、小売店などの負担を低減するためのコストのあり方などの課題も指摘されるところだ。ただ、ここで忘れてはならないことは、PETボトルは有用な資源であるが、国内で全てをリサイクルで回すことが出来るのかという根本的な問題である。過去の経緯から見ても、海外需要があって廃PETボトルが有価な資源として循環しているのであれば、海外でのリサイクルを全て否定せずに拡大する国内循環とのバランスをどう図るかが重要である。最終商品によっては、むしろ需要の多い海外で再資源化した方が合理的な場合も存在する可能性も十分踏まえた上で、経済性の高い安定した資源循環システムを構築することが国民にとって何よりも望まれることではないだろうか。