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WEB資源新報 リサイクルコラム

鉄リサイクル業界 内需減で迫られる選択 来るべき集約・再編に向け(2015年3月)

鉄スクラップの国内の需要家である電炉メーカーの再編・淘汰の動きが表面化するなか、鉄リサイクル業界にも大きな変化の動きが台頭し始めている。 国内の鉄スクラップ需要を担う電炉メーカーの生産量は、90年度ピークの3553万トンからバブル崩壊後の2000年代に入り24~500万トン台に低迷、電炉鉄スクラップ需要も90年度3500万トン水準から2500万トン水準と1000万トンもの減少を示しているが、ここにきて将来的な人口減に伴う鋼材需要の減少見通しに加え、東日本大震災での原発問題を契機とした電力料金の大幅上昇が電炉業界の再編を後押ししているのが実情だ。

ここ数年では、昨年2月に北海道の新北海鋼業が廃業したほか、大三製鋼、中央圧延が市場から撤退。更に東京製鐵岡山工場では昨年末、岡山工場での熱延コイルを田原に生産集約を図ることを目的に150トン電炉を休止、今年に入ってからも、新関西製鐵星田工場が製鋼休止を発表している。このような電炉の淘汰・再編の動きは、一時東京オリンピック特需で下火になる可能性も指摘されたが、逆に需要は2020年までとするタイムリミット論も台頭。低操業にあえぐ電炉メーカーでは、水面下で業務提携や合併などが引き続き模索されているようで、今後も動向が注視される。

こうした国内電炉の再編の動きのなかで、オーナー企業の下で自主独立の経営を行ってきた鉄スクラップ業界でも淘汰・再編の動きが表面化しつつある。昨年、業界大手のスズトクHDとエンビプロHDが業務提携を結んだことは業界の大きなニュースとなったが、今年も関西の老舗大手の共栄が大分の溝江商店を買収、また、産業廃棄物大手のタケエイも静岡の金山商店を子会社化、タケエイメタルとするなど、鉄リサイクル業界でも大型・集約化が進行しつつある。中でも業界のトップランナーであるスズトクとエンビプロの業務提携は、更に同業他社の参加も呼び掛けていることから、今後の動向が注目されるところだ。

電炉再編で2020年以降、更に国内での鉄スクラップ需要の減少が見込まれるなかで、鉄リサイクル業界としては更なる海外輸出といった対応が求められることが予想される。ただ、企業規模の小さい1社単位での輸出は規模や資金面などで対応が難しい面も存在する。こうした問題に対応するため、個々の事業者が集まって共同で輸出を行う関東鉄源協同組合などの組織の果たす役割も今後益々重要になってくるものと思われるが、メーカーや商社などの流通の再編進展でいずれにせよ鉄リサイクル業界は今後、更なる協業・協働が必要になるだろう。そのなかで企業として自主独立を保つのか大手のグループ化・子会社化による会社存続を図るのか等の選択をも業界は迫られることにもなりそうだ。