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WEB資源新報 リサイクルコラム

廃プラスチック市場 国内循環拡大に期待 自R法見直しが後押しに(2015年6月)

高度リサイクルによるASR由来プラスチック

高度RによるASR由来プラ

国内の廃プラスチックのマテリアルリサイクルの市場規模は年間約200万トンとされるが、そのうち160万トンが海外に流出しているのが実情である。こうしたなかで、先に経産省及び環境省によって取りまとめられた自動車リサイクル法の見直し施策のなかで、リサイクル高度化・質向上に向け、特預金等を活用して再生材を利用した自動車のリサイクル料金の引き下げなどユーザーインセンティブを付与する考えが示されていることから、自動車メーカーにおける廃プラスチックの利用拡大及び国内循環を大きく後押しすることになりそうだ。

自動車におけるプラスチックに関しては、1台当たりの使用量が約百数十キロ程度となっているが、自動車に使用されるプラスチックは耐久性や耐熱性などの品質要求が高いことから、自動車リサイクルにおいては、高度選別コストなどの問題からも一部を除いて自動車向けには回らず、汎用品向け或いはASRとして再資源化されるなどが一般的となっている。プラスチック循環利用協会のデータでも、自動車由来の廃プラスチックのマテリアルリサイクルは4万トン程度に止まっているのが現状である。 こうしたなかで今回の見直しは、再資源化業界でも廃プラリサイクルへの取り組みの流れを一層加速させるものとなっており、自動車の解体及び破砕工程における高度選別及び再資源化技術に注目が集まるところとなっている。

既に一部大手シュレッダー事業者は、使用済み自動車からの廃プラスチック事前選別或いは破砕後ASRからの選別に着手しており、廃プラスチック再生事業者等と連携しながら主にPP材を中心に1台当りから数十キロ程度を再生する高度リサイクルに乗り出している。また、解体事業者でも環境省の26年度低炭素型3R技術・システム事業で主にバンパーや内装材PPの回収を実施しており。結果、1台当たり14・8㎏のPPを回収しとなり、集約化によって77円/㎏程度のコストでリサイクルが可能になることも示した。

国内における年間使用済み自動車台数は約350万台となるが、高度選別等によって仮に1台当たり50㎏程度を回収出来たとした場合のPPを中心とした使用済み自動車由来の廃プラスチックの市場規模は17万トン超にまで拡大することになる。法的な支援を受けた自動車メーカー各社におけるクローズドループリサイクルの取り組み拡大が見込まれるなかで、再資源化業界でも新たなマーケット対応に向け、使用済み自動車を扱う解体事業者や鉄リサイクル業を営む破砕事業者と、廃プラスチックの再生事業者との連携・共同事業化の更なる進展が期待されるところだ。