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WEB資源新報 リサイクルコラム

進展する鉄スクラップ輸出遠隔地化 ベトナム、インド、バングラ等(2016年1月)

国内需要の減退を背景とした鉄スクラップ輸出の拡大傾向が続いている。昨年1―11月の累計輸出量は688万3000トンとなり、前年同期(659万9000トン)を4・3%(28万4000トン)上回る伸びを見せている。ただ、注目すべきは数量の伸びではなく、中身の大きな変化だ。

これまで我が国にとって主要な輸出先となってきた韓国は今年142万4000トンほどに止まり、前年同期(234万1000トン)比では39・2%もの大幅な減少となった。次ぐ中国も171万トン(前年同期186万8000トン/91・5%)と減少、台湾のみ76万2000トン(前年同期46万9000トン/162・5%)と大きく増加したが、韓・中の減少を補うほどのものではなかった。代わって伸長を見せたのがベトナムで141万9000トンと前年同期(69万3000トン)から倍増を見せた。中国の景気悪化と過剰生産問題を背景に2015年は、マーケットが大きく変わる1年になったと言えよう。

バングラへの万トンクラスの輸出

バングラへの万トンクラスの輸出

また、昨年は「インド元年」と言える年にもなった。新断やシュレッダー、HSなどを中心としたインド向けは4万トン超と量は少ないものの前年同期(4000トン)比で10倍の伸びとなり、大手商社が1万トンクラスの輸出を行うなど市場として大いに注目を浴びている。更に隣国バングラデシュは電炉の稼働等に伴い、鉄スクラップ需要が今年以降急増することも見込まれており、大手ディーラーによるシュレッダーやHS、H1、H2などの万トンクラスの船積みが昨年後半より相次いで行われている。11月までにバングラへは3万6000トン(前年同期・0)が輸出され、両国は今後も目が離せない市場となりそうだ。

一方で、近い将来、韓国や中国が鉄スクラップの輸出国化が進み我が国スクラップと競合する可能性が高まってきた。特に中国産スクラップは高炉由来のものであることから品位の面で競争力が高いという指摘もある。来るべく国際競争に備え、いかに我が国の鉄スクラップを国際競争力の高い商品として育てていくか、業界の更なる取り組みが求められるところだ。