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鉄スクラップ業界 国際競争力の向上を 迫る韓国、中国との競合の時(2017年7月)

鉄スクラップの国際相場が堅調に推移するなか、7月現在我が国の鉄スクラップ相場も強基調での推移を見せ、4~5月の急落が過去のようなことになりつつある。しかしながら、東アジア市場では確実に変化が起きつつあるようだ。 今年4~5月の鉄スクラップ相場下落の大きな要因としては、中国政府主導による同国内の地条鋼メーカーの廃止政策があるとされる。これにより同国内の鉄スクラップが余剰化、日本を含めた近隣国に安値で流出したことで、国際相場に大きな影響を及ぼした。中国からのスクラップ輸出は、現在、輸出関税の基準価格見直しや高炉の使用増、地条鋼の違法操業復活などに伴い、6月以降商談は鎮静化しているが、状況次第では再び活発化する可能性も指摘される。

また、中国からの輸出で注視されるのはその中身だ。一部は海外からの輸入雑品等を加工したスクラップとされ、最近では韓国メーカーがLMS(LightMeltingScrap)というグレードにて成約残消化の輸入を行ったもようだが、新断などの上級品種も安値で輸出されており、東南アジア等向けで最近まで新断グレードのオファーも聞かれていた。

現状、中国のスクラップに関しては、日本などと異なり、細かな規格が存在しない等の点から、需要家とのスペック擦り合わせによる相対ベースでの取引となっているようで、現地関係者によれば「日本向けは検収規格が厳しく、中国サイドはあまり出荷したがっていない様子」とのこと。しかし、経験を重ねれば品質の向上や取引上の規格化が進んでいくことは想像に難くない。加えて注視しなければならないのが韓国の動きである。韓国ではこのところ鉄スクラップ輸出が定着しつつあるが、上昇する国際相場に対し国内相場の下落から輸出を活発化させる動きがある。そのなかで、欧米ベースの国際規格であるHMS80:20での出荷や大型化進展等の話も聞かれる。

先の国際鉄リサイクルフォーラムにて中国廃鋼応用協会の関係者は「中国がスクラップ輸出国になるのは歴史の必然」と述べていたが、これまで我が国にとって販売先であった韓国、中国の輸出国化は着々と進行しており、東南アジアや南アジア市場での競合が起こるのは時間の問題であろう。そのなかで、業界としては現地ニーズへの対応や品質向上による差別化が重要となる。例えば、同フォーラムにてバングラのメーカー関係者は「輸入母材加工用にギロチン設備を保有しているが稼働はコストがかかる」と述べていたことから、短尺化などは有効かもしれない。今後は販売手法も含め、きめ細かな取り組みも業界には求められることになりそうだ。