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故繊維

故繊維の種類と用途

故繊維

故繊維

再生資源は発生源によって「市中屑」と「産業屑」に大別される。繊維の場合では前者を「ボロ」と呼び、家庭や事業所から排出される衣料品、制服、シーツ等がこれに当たる。これと生産工場等から発生する裁落屑や糸屑、綿などの「産業屑」、を合わせたものを総称して「故繊維」と呼ぶ。リサイクル業界が扱うものの多くは家庭から発生するボロ(一部、産業屑や流通業界等から発生する流通不能製品等の扱いも)で、自治体の資源ごみ収集や集団回収等から故繊維業者が直接集荷するものや、市中回収を行う古紙業者等のルートから故繊維市場に投入されるもの、中古衣料品流通ルートから投入されるものなど、市場への入流ルートは多岐にわたる。

故繊維の主な用途としては中古衣料、ウエス(工業用拭き布)、反毛(繊維を綿状にしたもの、フェルト・紡績の原料)などがある。中古衣料を除けばリサイクル用途の主流はウエス材だが、需要先となる国内産業の海外移転と空洞化、さらには故繊維材以外のウエス製品(紙ウエス・レンタルウエス)との競合などで国内需要自体が長期にわたり減少傾向をたどりつつある。近年はすべての用途で、需要先を海外に依存する傾向がさらに強まっている。

一方、従来の故繊維市場、流通経路とは別に、流通業界や製品業界が独自に使用済み製品のリサイクル事業を展開する動きが年々、さらに拡大・活発化している。それらの多くは海外のリユース・リサイクル市場に投入されている。

故繊維市場の規模と課題

現在、国内でボロが年間約19万トン、産業系の屑繊維が6万トン弱回収されるが、市中回収のボロにはリサイクル禁忌品や市場性がないために処理・処分されるものが全体の25%程度あり、実質的な再資源化量は年間で20万トン程度と推計されている。繊維製品の総消費量は年間で200万トン強とされ、再資源化率はわずか10%程度に過ぎない。

再生資源全般にリサイクルの促進に関わる課題、特に需要拡大と再資源化コストの負担については、行政と産業界の積極的な取組みが不可欠であり、それらを促す意味で、各種リサイクル法が大きな役割を果たしている。 故繊維についてもかつてリサイクル促進法の整備が議論されたが、リサイクルルートが複雑・多岐にわたることや関係者が広範囲となることから法制化は困難との結論に至った。業界を取り巻く環境の悪化と緊急性から関係業界、行政の積極的な関与なしには故繊維リサイクルを取り巻く状況の改善は不可能というのが一般的な見方である。