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自動車リサイクル 3Rの質向上で新制度 廃車由来プラ利用で料金割引

経済産業省の産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキンググループと環境省の中央環境審議会 循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会の第45回目となる合同会議がこのほど開催されたが、そのなかで、再生資源利用等の進んだ自動車へのインセンティブ(リサイクル料金割引)制度(仮称)の骨子案が示された。自動車リサイクル制度の施行から10年以上が経過するなか、これまでの制度見直しの合同委員会において、3Rの質の向上などを進める方針が示され、これまでのフロン類、エアバッグ類、シュレッダーダスト(ASR)の三品目から自動車全体で3Rを推進していくべきとされ、「リユース拡大・リサイクルの質の向上と社会的コスト低減の好循環」を生み出す必要がある、との指針が示されていた。

こうしたなかで、3Rの質向上に向けた重要項目の1つが再生資源の利用拡大であることから、今回、ユーザーから徴収したリサイクル料金を原資としたインセンティブを導入する、というのが今回の制度案となる。同制度の主な対象となるものは、現在、再資源化されるASRに含まれるプラスチック類。これによりASRの削減が進めば、処理費用低減によるユーザー負担の軽減が期待できるだけでなく、更に温室効果ガスの削減にも資するとしている。

また、制度の対象車種は、再生資源利用及び環境配慮設計の進んだものとし、制度開始当初は使用済自動車由来の再生プラを使用している代表的な部位を公表していることと全再生プラスチック使用重量比率が基準値以上であることを基準とし、これら基準値を2年後以降に見直していくほか、再生材の供給状況の変動制を踏まえ、四半期ごとの平均値の基準適合の判断を行いつつ、審査などを通じたトレーサビリティ確保するなどとした。

なお、同制度案では、リサイクル料金の割引金額については、資金管理料金及び情報管理料金を除く全額とし、ユーザーやメーカーの機械公平性を勘案し、実施期間は10年程度としている。対象車については、リサイクル料金の残高や割引金額、実施期間を踏まえ、年間平均約10万台程度が望ましいとした。制度実施に向けた今後の進め方については、現状、使用済自動車由来再生プラスチックは品質面、コスト面の課題があり、自動車向けにほとんど利用されていないため、実証事業を行い、小規模ロットでの品質及びコスト評価や有害物質(臭素系難燃剤等)への対応、コンパウンダーにおける品質管理、量産化技術、車両の軽量化を阻害しないことなどを確認していく。

国立環境研究所 官・民12の事例を紹介 高齢者のゴミ出し支援で

国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センターではこのほど、高齢者のゴミ出し支援について、全国の自治体や事業者が行っている支援策を取りまとめ、事例集として公開した。この事例集は今年5月に出された「高齢者のゴミ出し支援ガイドブック」の副読本として作成されたもので、全国12の自治体、事業者、地域コミュニティにヒアリングを行い、その結果をまとめたもの。

孤独死を発見した収集員のメンタルケアの必要性や認知症を発症している利用者への対応など、実際に実施してみなければ分かりえない種々の課題が紹介されているほか、「顔の見える地域づくり」への良い影響、ゴミ屋敷化の未然防止など、支援策を行うことで副次的な効果も含め、現場の声を拾い上げた内容となっている。

同研究所の調査によれば、2000年以降、何らかの形で高齢者のゴミ出し支援を行う自治体は増加傾向にあるが、2015年時点で全t内の23%に留まっている。一方で、支援制度の無い自治体のうち39%は「将来的に検討したい」と回答していることから、今後の拡がりも期待される。

総務省 太陽光パネルで勧告 適正処理への制度整備必要

太陽光パネル排出予測

太陽光パネル排出予測

総務省では、使用済太陽光パネルの適正な処理の確保及びリユース・リサイクルの促進を図る観点から、使用済太陽光パネルの廃棄処分等の実施状況調査を行い、このほどその結果を取りまとめ、必要な改善措置についての勧告を公表した。同報告書によれば、平成24年7月の再生可能エネルギー固定価格買取制度の創設以降、太陽光パネルの導入が拡大しており、将来、耐用年数の経過等に伴い、2030年代半ば頃から使用済パネルの排出量の急増が見込まれる。(2015年:約2400トン→2040年:約80万トン)。また、2030年までの間も、住宅用を中心に排出量は増加の見込みだ。

また、将来の大量廃棄の問題だけでなく、現下においても、災害により損壊したパネルによる感電や有害物質流出のおそれなどが指摘。有害物質(鉛、セレン等)が使用されているものもあり、適正な廃棄処理や感電防止対策が必要としている。勧告では、まず、損壊パネルに対し、損壊現場における感電等の防止措置は、一部を除き、十分かつ迅速に実施されていないことから、危険性や地域住民等への注意喚起及び感電等の防止措置の確実な実施について周知徹底が必要としている。

また、適正処理に当たっては、パネルに含まれる有害物質情報は排出事業者から産廃処理業者に十分提供されず、含有の有無が未確認のまま、遮水設備のない処分場に埋立てられているなどの実態も判明していることから、まず、①有害物質情報を容易に確認・入手できるよう措置、②排出事業者から産廃処理業者への有害物質情報の提供義務の明確化③適切な埋立方法を明示、といった3点の勧告を行っている。更に、現状では、災害時も平常時においても、パネルの適正処理が十分行われていない状況にあり、処理現場の多くの地方公共団体・事業者からも、家電リサイクル法などと同様、回収・リサイクルシステムの整備が必要との意見も調査では寄せられたことから、使用済パネルの回収・適正処理・リサイクルシステムの構築について、法整備も含め検討を勧告している。