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スズトクホールディングス 静脈産業の再編主導 産業革新機構より32.3億円出資

鈴木会長と志賀会長

鈴木会長と志賀会長

金属スクラップを中心とした総合リサイクル事業を展開するスズトクホールディングス株式会社(本社・東京都千代田区、鈴木孝雄代表取締役会長グループCEO、松岡直人代表取締役社長グループCOO)では先ごろ、官民出資の投資ファンドである株式会社産業革新機構より、32億3000万円を上限とした出資を受けると発表した。スズトクHDが実施する第三者割当増資を産業革新機構が引き受ける形で、スズトクHDは社名を「リバーホールディングス株式会社」に改称する。新社名のリバーは「re」と「ever」を組み合わせた「rever」で、河の流れのように全てのものを産み出す海へとつながる(再生の道のりを歩む)という意味と左右どちらから読んでも「rever」になることから、「終わりがないループ(循環)」するという意味を込めた。

スズトクHDでは、前身の鈴徳が創業113年を迎えるなか、2000年以降M&Aを通じて事業療育の拡大を図ってきたが、今回の産業革新機構からの出資を通じ、他企業の買収などを通じた主力事業である資源リサイクル事業の規模とバリューチェーンの拡大を図り、同社が掲げる「2025ビジョン」に基づき廃棄物100%の再資源化の実現と高度循環型社会に向けた受け皿となるべく業界再編を進めたい考え。社名を変えつつ産業革新機構という公的な機関からの出資を受けることで、静脈産業の再編・統合のためのプラットフォームになることを目指していく。

スズトクHDは産業革新機構より役員を受け入れ、産業革新機構側は新会社で過半数を超えない範囲で出資を行う。また、新会社は近い将来での上場も視野に入れている。 なお、スズトクHDが従来から進めてきた国内外での業務提携などの取り組みもこれまで通り活かしながら、今後、他のリサイクル企業も参画しやすい仕組み作りも進めていく方針を示している。

スチール缶リサイクル協会 2016年度R率は93.9% 90%以上6年連続、過去最高に

スチール缶に係る鉄鋼メーカー三社、製缶メーカー三社、商社六社で構成されるスチール缶リサイクル協会(理事長・佐伯康光・新日鉄住金㈱代表取締役副社長)ではこのほど、2016年度のスチール缶リサイクル実績について発表した。それによれば、2016年度のスチール缶リサイクル率は93・9%となり、2016年度から2020年度までの第三次自主行動計画のリサイクル率目標90%を達成した。また、90%以上の達成は、6年連続となり、2013年度と2015年度に記録した92・9%を上回る過去最高のリサイクル率になっている。

この高いリサイクル率達成の背景として、佐伯理事長は、飲料用スチール缶の分別・再資源化が社会に浸透しており、95%以上の自治体で分別収集が行われていることや、2016年の世界の粗鋼生産が16億3000万トンと高い水準が維持されるなかで、日本の粗鋼生産も年間1億トンを維持しており、スチール缶スクラップが国内で自給できる高品質な鉄鋼原料として評価されていることなどを挙げた。

また、スチール缶の一部が全国の鉄スクラップ業者において、高付加価値化のためにシュレッダー処理され、スチール缶スクラップ(Cプレス・Cシュレッダー)以外の規格で鉄鋼メーカーに受け入れられている実態もあり、2009年度よりこの一部を調査し、再資源化重量に加えたことも高いリサイクル率の維持につながっており同協会では、「他のゴミに混ざってしまい、補足できないものも含めれば、リサイクル率は限りなく100%に近い」としている。

2016年度においては、スチール缶の消費量46万3076トンとなったのに対し、再資源化重量は43万4977トンとなっているが、この数値は、10年前の2006年度との比較では、消費重量で36万9000トン、再資源化重量でも29万7000トンの減少を示している。リサイクルの優等生であるスチール缶だが、アルミ缶やペットボトルなど飲料容器の他素材化が進むなかで、市場規模は年々縮小傾向にある状況も伺える。

スチール缶リサイクル率の推移

自動車工業会 共同回収網の構築も 次世代車リサイクルへの取り組み

先に開催された産構審と中環審の自動車リサイクルに関する合同会合にて、(一社)日本自動車工業会より次世代車の適正処理・再資源化及び新冷媒への取り組み状況について報告が行われている。 ハイブリッド自動車や電気自動車、プラグイン・ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などの次世代自動車については、年々販売台数が増加しており、2030年には少なくとも250万台、最大で350万台程度が次世代自動車の販売台数となることが見込まれているが、次世代自動車が使用済み車として本格的に発生してくるのは2025年以降(最大約50万台)と予想されている。こうしたことから今回、同工業会では、使用済み駆動用電池の各社の対応状況などの報告を行ったもの。

メーカーによる自主回収スキームの実績では、まずニッケル水素電池(トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車、日野)が2016年度で4839個となり、前年度比で352個の減少となった。一方、リチウムイオン電池(トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車、スバル、いすゞ、スズキ、UDトラックス、ヤマハ、三菱ふそうバス・トラック)では、2016年度656個となり、数は少ないものの前年度比で202個の増加を見せている。回収後の処理については、例として電池を電気炉で溶融処理し、電池構成素材の一部を還元剤などとして活用する、ハイブリッドモーターの磁石からのネオジムやジスプロシウムといったレアアースの回収と新たな磁石として利用するリサイクルシステム実証、などを挙げた。

一方、回収電池のリユースの取り組みとして、トヨタによるプリウスバッテリーを利用した定置用蓄電システムや、日産と住友商事が設立したフォーアールエナジーによる、電気自動車のリチウムイオンバッテリーの二次利用商品の2020年からの販売に向けた実証試験について紹介も行われている。 なお、メーカーサイドでは現在、解体業者や運送業者などと、広域認定制度を利用した共同回収スキームを構築中としており、2018年度の稼働開始を予定している。